「無題」

(東京都江東区夢の大橋付近)
人形が心をもってしまう話。
誰かの「代用品」である空気人形がある日心を持ち、動けるようになり、
外の世界を知ることとなる。
心を持った空気人形は、次第に自分がいつでも取替えのきく
誰かの「代用品」であること、「からっぽ」な存在であることを意識するようになる。
そんな彼女に、元国語教師の老人が言う。
世の中には、「からっぽ」な人が他にもたくさんいることを。
どこか空虚な「からっぽ」な人達でも、結局は色んな形で人と関わっており、
自分が望む、望まないに関わらず、また意識する、しないに関わらず、
他者から影響を受けて行動を起こしている。
時にその行動はむなしく、せつなく、また素敵なものだったりする。
人と人の関わりを、ある意味とてもリアルに描いた興味深い内容だった。
http://www.kuuki-ningyo.com/index.html
銀行強盗に巻き込まれ、銃で頭を打たれた青年、成瀬純一。
彼の頭に、世界初の脳移植手術が行われた。
絵を描くのが好きで、やさしく穏やかな性格だった純一だが、
手術後徐々に性格が変わっていく。
自分ではどうしようもない自己崩壊の恐怖に駆られ苦しみながらも、
性格が変わった根本を探ろうと、自分を取り戻そうと、ドナーの正体を突き止める・・・
「後ろにある足跡を見て、たしかに自分のつけたものだとわかるのが、生きているということなんだ」
なるほど。
自分が自分として生きるということを年を重ねるにつれ考えるようになってきたが、
さらに言うと、自分の意思でつけてきた足跡でないと、たとえ自分の脳であっても、
生きているとは言えないのかもしれない。
自己責任で考え、行動していくことが、生きているということなのかなぁと。
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